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007:オーバークックについてのメモ

ゲーム開発

GWに親戚と会う機会があったので、大人子供含めてゲームを普段プレイしない人の感想を知りたく、これはチャンス!とニンテンドーラボとオーバークックをプレイして貰いました。

 

そのために一日費やし、作ったダンボールデバイス群。

 

作る途中で余った、おそらく捨てるべきダンボールの紙片。必要無いところもデザインされていて捨てるのが惜しくなります。何かに使えそう・・というかカスタムするときに使うってことですかね。

 

ニンテンドーラボは皆、CMとかで知ってはいたものの初体験で、色々なゲームがあり、数も多いので最初は凄く盛り上がったのですが・・・

途中から遊ぶのはオーバークックだけになり、子供たちをほったらかしで大人が夜中まで遊ぶという結果になりました。ラボは全部作る必要無かった気もします(涙)

ちなみにGWに他のスタッフもスプラトゥーンとかを皆で集まってやろうとしたものの、一番盛り上がったのはオーバークックだったとのこと。

 

オーバークックは前に最後までクリアはしていて、凄く面白いことは知っていたのですが、ゲームを普段しない人がそこまでハマるとは考えていませんでした。

記憶の明るいうちにメモを残しておきます。

 

・オーバークックの題材は料理。

当たり前ですが料理は身近でイメージしやすいです。ファンタジーな世界で骸骨は突攻撃には強いけど打撃攻撃や炎属性に弱い・・・とかよりも身近な題材というのは重要。ゲームのルールを説明しているときに最初から女性が興味を持って聞いていたので、料理という題材の効果の大きさは感じました。

料理以外だとなんですかね・・掃除とか片付けとか?あとは買い物?とかも敷居は低そうな気がしますが、料理の方が圧倒的にキャッチーな気はします。

 

・わかりやすいゲーム画面。

ステージを見下ろす視点で、奥行きが無い画面。上を押すと上に移動するという2Dのゲーム性はシンプルでわかりやすい。ファミコンからある見た目なので、この辺は説明しなくてもだいたいすぐわかっていたのでゲームのデフォルトスタンダードになっている気はしました。

 

・遊び方(ルール)がシンプル。

アクションゲームで敵を攻撃して倒すというのもわかりやすくシンプルなのですが、オーバークックの工場のような流れ作業というか、注文に則して、素材を切って、焼いて、出来た料理をお皿に乗せて、提供する・・というの馴染みがありわかりやすいです。そもそもの工程が複雑ではない上に料理という身近にある行動なので、何をするのかも想像しやすい。

最初はわからなくても一回やればすぐわかるというのは凄く重要な気がしました。ルールがわかっても上手く操作はできないし、時間内に早くやらないといけなく急かされるし・・・。ルール自体はシンプルで難しい要素は増やさず、ゲームならではの操作性やマップのギミックでレベルデザインをする方が、知識ではなくプレイヤースキルが必要となるので短期間ではハマりやすい。

 

・一回のプレイ時間。
5分以下。ゲームのシステム的にプレイ中も気を休める瞬間は多々あるのですが、集中力が持続するというか、頑張りが続くことを考えると5分以下くらいの時間は丁度良い。失敗してももう一回!とリトライのしやすさにも繋がるので、プレイ時間が短いというのもハマる要素として重要な気はしてます。

 

 

上のような内容の上に4人同時プレイができる。

ルールは簡単で題材も身近で敷居はとても低く初心者でもすぐに遊べる・・・パーティーゲームとして理想系な気がします。

 

対戦プレイと違い、協力プレイの利点は失敗したときに責任の所在を転換できるところにあると山口は考えていまして、上手くいったら自分の手柄、失敗したら人のせい、そんなゲームデザインがオンラインの対戦や共闘で重要だとか考えていたりするんですが、

リアルに集まって遊ぶ場合は、責任の所在が明確でも挽回がすぐできるというゲームデザインにしておくことで、共闘でもギスギスしない、というより、そのギスギスも盛り上がる要素に一因になる、というのは、目から鱗な仕様でした。

 

他に細かいとこで・・・

 

・操作やゲームの目的がシンプルがゆえに、失敗時に対策が思い浮かびやすい。役割分担の変更とか作業の効率化とか・・・。

・スリースター性なため、繰り返すプレイで成長を感じられ、ここまでやればクリア!という目安にもなり、それがシンプルでわかりやすい。

・ストレスを感じるギミックやMAP構成なのですが、1ステージ事に大きく変わるため、次のステージもやろう!、となる。ストレスより達成感の方が上回っている結果だと思います。逆に止め時が難しい?

・それぞれの作業場の動線を重ねることで協力プレイ時に接触が起きやすくしている。接触が起きないようにここからここまでは自分・・・みたいな分担もやりやすい。

・作業場をキャラと同サイズにしているが、コリジョン判定はそのサイズを無視しある程度シビアにしたことで、焦るときにミスを産むような設計になっている。食材の持ち運び時にストレスを与え、切るとか焼くとかの作業時は休憩・・・終わるとまた運ぶストレス・・・という感じで共闘しながら、自身の行動の中でも緊張と緩和を繰り返すため、上手くいくと満足度が高まるし、面白さがある。

・押し合いだとその場から進まなくなるが、ダッシュで当たると相手を吹き飛ばす仕様。これは攻略のかなめの時間短縮ダッシュへの大きなデメリットになっている。

 

・・・とか、色々と考えられることはあるのですが、

プレイ中、「横暴な車椅子狸がいる!」とか「パン多過ぎいらない邪魔!」とか「もう玉ねぎだけずっと切っといて」とか「肉焼くのさぼってない?」とか・・・、言葉尻は良くないですが、コミュニケーションを取りながら遊んでいて、いつまでも飽きずに止め時を見失うくらいハマっていて、それはファミコンやSFC時代に友人と集まって遊んだいたのと全然変わっていない事だと思いながら眺めていました。

30年前から変わっていないとなると、ある意味、この楽しさはゲームの本質に近いモノなので、今後もブレないのではないのか・・・。

見た目とか勿論重要ですし、没入感、そのゲームにしかない世界観、小説や漫画や映画とは違うゲームならではのストーリー展開・・・ゲームの面白さを構成する要素は多く、今の時代、本当に面白いゲームが多数出ているのですが、シンプルでゲームをそんなにやらない人がハマるようなゲーム、そういったゲームをとても作りたくなったGWでした。

 

 

大人たちが盛り上がる横で遊び続ける子供たち。未就学児なので普段は当然寝ている時間なので、眠いかなと思って「寝なくてよいの?」と尋ねると、テンション高く全然眠くないとのこと。しかも、お母さんが遊んでいるから今日は怒られない、起きていても大丈夫、と笑顔で返してくれました。こういった駆け引きは小さくてもわかるモノなのか・・・。

ちなみに、親たちがオーバークックにハマっている4時間以上ずっとかくれんぼうをしていたようです。4時間耐久かくれんぼう、それはそれで面白そう。

 

 

悲しいですが、6歳以下にはTVゲームは魅力では無いみたいです。

 

 

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